地域それぞれの食文化

私達が普段口にする食べ物の中には、作られた地域によって味に違いがあったり、同じ名前でもそもそもの見た目すら違うなんてものがあります。
中でもわかりやすいのは関西と関東での桜餅の分布の違いでしょう。
関東には二種類の桜餅が存在します。
クレープのように薄い餅で餡がつつまれた「桜餅」と、餅米で餡を包んだ「道明寺」です。
それに対して関西の桜餅は何と「道明寺」しか存在しないのです。
「桜餅」の方が関東で先に生まれ、後に関西で道明寺粉で作られた桜餅を「道明寺」と呼ぶようになったことが、分布の違いの由来となっています。
食べ物の地域差でもう一つポピュラーなのはすき焼きの違いです。
関東の方はすき焼きというと、具材を鍋に入れて煮込むすき鍋スタイルの方を思い浮かべたでしょう。
実は関西では、すき焼きのダシは後から入れるのです。
最初に肉の脂を溶かした専用の鍋の中で肉を焼き、程よく火が通ったらだしを加える、これが関西流のすき焼きです。
どちらが美味しいかの議題は軽い戦争になりかねないので避けましょう。
食べ物の地域の違いは、その土地の生活を伺い知ることの出来る大切な要素です。
是非、観光に出かけた際に着目するとよりいっそう食事が楽しくなるでしょう。